2020年8月9日、「自分自身のセルフケアの必要性」 ~教職員の実態調査を踏まえて~というセルフケアウェビナーを行い、学校の管理職から一教員、そして保護者まで、様々な立場の方が参加していただきました。
新型コロナ以来、児童生徒の心のケアの必要性が求められています。一方で、以前から教師個人にかかる負担の大きかった学校現場は、更なるストレス過多と業務負荷による教師のメンタル不全も懸念されています。
そこで、日本ピーススマイル協会では、NPO法人『共育の杜』理事長の藤川伸治氏をゲストにお招きし、教師一個人がセルフケアを導入し、メンタル不調とそれに伴う学校現場崩壊の危機を防ぐ働きかけをしようと、夏休み緊急イベントを開催しました。
NPO法人「共育の杜」理事長
1980年4月から20年間、広島県公立中学校理科教員。2000年4月から2018年まで、日本教職員組合役員。特に、教職員の長時間労働問題解消に取り組む。
著書に『みらいの教育~学校現場をブラックからワクワクへ変える』(共著、武久出版)、「めっしほうこう」(明石書店)など。
藤川氏からは、国へ提出されたばかりの「コロナ感染症拡大に伴う教職員の勤務実態等の変化に関する調査」の分析結果の報告と、ご自身が主に教職員向けに主催されている「7つの習慣実践ワークショップ」を行っていただきました。
全国教職員1000人以上から集めた実態調査からは、深刻な現状が浮き彫りとなりました。「過労死ライン(一カ月の時間外勤務が80時間以上)53.8%」
「いつ過労死をしていい状態(一カ月の時間外勤務が100時間以上)39.8%」
そして、ピーススマイル協会からは、セルフケアのためのワークショップを行い、「セルフ」すなわち自身の価値の気づきを促しながら、短時間に一人の状況でもできるセルフケアを行いました。
参加者の皆さんの声としては、
「自分に優しいことばかけをしていくこと。無理のないポジティブな言葉を使うようにしたいです。」(中学校教師)など、前向きな言葉がけや意識を転換していこうと思われた方が多かったです。
他にも「ポジティブを強要されるのも疲れてしまうという声を聞いてはっとしました~ネガティブでありたいタイミング、ポジティブになりたいタイミング、そのどちらも認め、受け入れ、ありのままの自分を大切にする。」(小学校教師)
「教員のストレスは一般の方々より高いという統計を知り、現場の先生を支えていく管理職の責務を再認識しました。先生がサボっているのでは無いという意識で大胆にやめる業務を感覚でもいいかなと思いました。」(副校長)
様々な気付きを得ていただきました。
勿論、イベントの満足度は100%。「セルフケアを学ばれて、以前よりストレスや不安をなくしていけそうですか?」という質問には、ほぼ全員がyes(おひとりだけ「以前と変わらない」と回答)ということで、コロナ禍で緊急開催した甲斐を感じました。
引き続き、このような形でのサポートを進めていくようにします(セルフケアやメンタル(ストレス)ケアなどの研修のお申し込み、お問い合わせはこちらからお願いします。